蟲狩り少女
冗談っぽくそう言い、2人で笑う。


最近蟲の姿は見ない。


冬になり、寒くなると蟲たちも土に籠り出てこなくなる。


ふとアスファルトの中央に弱った蟲を1匹見つけた。


蟲は冬眠しそびれたのか、ピクリとも動かない。


あたしがその蟲をまたいで通ろうとした瞬間、蟲は灰になって消えて行った。


「蟲の季節が終わった」


「え? なに? 虫?」


「うん。虫が少なくなったなぁと思って」


「そうだね?」


リカちゃんが少し不思議そうな表情であたしを見たのだった。
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