蟲狩り少女
「里音はもっと自分に自信を持っていいと思うよ」


「……そうかな……?」


自分に自信を持つって、一体どういうことなんだろう?


ある程度人並みに生きて来て、蟲狩り以外に自分を特別だと思ったことなんてない。


他人に見えることで評価される事なんて、めったにない。


そんな事をグルグルと考えていると、光磨があたしの眉間をつついてきた。


「なに?」


「シワ」


「あ……」


いつの間にか眉間にシワを寄せて考え込んでいたみたいだ。


あたしはフッと口から息をはきだして、シワを消した。


「わかんない。あたし、自信を持てるものがないのかも」
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