蟲狩り少女
そして、最後の角を曲がった瞬間あたしと光磨は同時に足を止めていた。


目の前の光景が一瞬理解できず、ポカンと口を開けてしまう。


「なに……あれ……」


あたしは呟く。


「嘘だろ……」


光磨も、誰かに答えを求めるでもなく、呟いた。


胸のざわつき。


嫌な予感。


強くなるそれらの理由が、今目の前に存在していた。


蟲。


だった。
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