蟲狩り少女
「え? 移動教室って言われたんだけど……」
いまだに三岳友輝の言葉を信じているらしく、今度はあたしに怪訝そうな表情を見せてきた。
「いいから……戻ろう……」
あたしはそれだけ言って脇マサヤの手を握った。
自分よりずっと背の高い男子を、引っ張るようにして歩き出す。
脇マサヤはまだ自体を飲みこめていないようだ。
あたしは歩きながら廊下にある窓から外を眺めた。
花壇の中を春の虫が飛んでいる。
白い蝶や黄色い蝶が飛んでいる。
出て来てしまう。
春の蟲たちが……。
いまだに三岳友輝の言葉を信じているらしく、今度はあたしに怪訝そうな表情を見せてきた。
「いいから……戻ろう……」
あたしはそれだけ言って脇マサヤの手を握った。
自分よりずっと背の高い男子を、引っ張るようにして歩き出す。
脇マサヤはまだ自体を飲みこめていないようだ。
あたしは歩きながら廊下にある窓から外を眺めた。
花壇の中を春の虫が飛んでいる。
白い蝶や黄色い蝶が飛んでいる。
出て来てしまう。
春の蟲たちが……。