蟲狩り少女
「立てよ!」


三岳友輝のどなり声が響く。


脇マサヤはビクッと肩を震わせ、自分の机に掴まりながら立ちあがった。


怯えながらやっと立ち上がった脇マサヤを、藤原が足をひっかけて倒した。


脇マサヤはあまり運動神経がよくないのか、背中から床にたたきつけられてしまう。


「お前、勉強も運動もできないんだな」


三岳友輝のバカにしたような声が聞こえてくる。


その言葉に、クラスの何人かが小さく笑い声を洩らした。


このB組は、A組ほどではないにしろみんな勉強もスポーツのある程度できる者の集まりだ。


そんな中脇マサヤだけは両方を不得意としている。
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