蟲狩り少女
☆☆☆

三岳友輝と脇マサヤに注目して過ごしていると、ある日脇マサヤが腕に包帯を巻いて登校してきた。


ホームルーム開始の5分前にそんな姿で現れた脇マサヤは、当然クラスメイトからの視線を浴びた。


そして脇マサヤを見た瞬間凍りつくクラスメイトたち。


あたしも、その1人だった。


みんな一瞬にしてあれは三岳友輝の仕業ではないかと思ったのだ。


いつの間にそんなにエスカレートしていたのだろうと、きっと誰もが思っていただろう。


しかし


「おいおい、どうしたんだよ。事故にでもあったか?」


という三岳友輝の言葉に、全員の硬直が解けた。


自分がケガをさせておいて、わざとそんな事を聞いているような口調ではなかったからだ。
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