蟲狩り少女
「あ……昨日自転車で転んじゃって……」


そう言い、居心地が悪そうに席に座る脇マサヤ。


たぶん、嘘はついていないだろう。


それで終わりならよかった。


脇マサヤのケガに三岳友輝は関係ない。


イジメの存在は把握しているけれど、そこまでひどいことにはなっていない。


みんなそう思いたかったと思う。


でも、1人の女子生徒が三岳友輝の方を見てこう言ったのだ。


「昨日三岳君が脇君を呼び出す所、あたし見たよ」


あたしは自分の心臓がドクンッと大きくはねるのがわかった。


「まじかよ。それヤバイじゃん」


近くにいた女子生徒が緊迫した口調でそう言う。
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