蟲狩り少女
脇マサヤの強さに感服していると、三岳友輝をかこっていた蟲たちが少しだけ数を減らした。


脇マサヤが起き上がる時に三岳友輝に触れたから、逃げたんだ。


「あれ……? 俺、何してたんだ?」


三岳友輝がキョトンとして目の前の脇マサヤを見つめる。


蟲に心まで操られていたため、今自分がしていた事が思い出せないのだ。


チャンスだ!


あたしは三岳友輝から離れた蟲を攻撃した。


蟲たちは隠れ蓑を失ったようにボトボトと地面に落ちて行く。


これなら勝てる!!


そう思った瞬間だった……。


微かに音を立てながら噴出していたスプレーが、止まったのだ。


「え……うそ!?」
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