蟲狩り少女
目の前では三岳友輝が再び心を操作され、脇マサヤに攻撃しようとしている。


「やめて!!」


叫んだ……その時だった。


あたしの横から蟲狩りスプレーを持った手が伸びて来て、三岳友輝へ向けて噴射したのだ。


蟲たちはボトボトと落ちて行く。


今度は蟲は完全にいなくなった。


「助かった……」


そう呟き、その場に力なく座りこむ。


もうダメかと思った。


助けられないと思った。


「大丈夫か?」


後ろからかけられた声には聞き覚えがあった。
< 83 / 289 >

この作品をシェア

pagetop