蟲狩り少女
清野光磨のせいであたしの身長に興味を持ったのか、後ろの席の男子生徒からもそんな質問が投げかけられた。


「え……えっと……」


しどろもどろになるあたしに、誰も助け船を出してくれない。


北野先生ものんびりとその様子を傍観しているだけだった。


ここはあたしが答えなければ解放してもらえなさそうだ。


そうとわかると、あたしは緊張しながらも「１４３……センチです……」と、答えた。


「ちっちゃ！！」


あたしの身長を聞いて来た後ろの席の女子生徒が、驚いた声を上げる。


背が低いことくらい、あたしは自分で知っている。


みんなだってあたしが立ちあがって自己紹介をした時点で気が付いている。


なのに、なんでそんな事で注目されなければいけないんだろう。


そう思い、恥ずかしくなってうつむいてしまう。


普段この身長は自分の存在感を消すために有利なものだった。
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