悪役系女子
モデルのように、美しく
天女のように、清く
まるで適わないと思えて、彼等に相応しいと感じられる女なら諦めた
でも、こんな平凡な子。
「どうしてっ」
彼等は彼女を選んだんだろう
ビクりと肩を揺らす、お姫様。
そんな動作さえ、憎いと思ってしまう。
張りつめた雰囲気。
視界にはいる仲間だって、皆、純粋に彼等が好きだっただけなのに
少しでも可愛くなって、彼等の目に止まりたかった。
汚い女だと言われても、カオルさんの側にいたかった。
守られてるだけのアンタにだけは、私たちのこと言われたくない。
「行くよ」
掠れた声で告げると、仲間たちと歩き出した。
誰も何も言わず、沈黙。