無口なキミと同居します。
想像してたよりも大きい手が、私の髪を撫でて離れた。
…どうしよう、どうしよう
顔がカァァっと熱くなるのが嫌でもわかる。
その後なにもなかったのように遠野はすぐに私の部屋から出て行った。
ドアが閉まる音が聞こえた瞬間、ドッと緊張が解けた。
「なに動揺してるの私…っ」
その一瞬の出来事が私の感情をこんなにも動かすなんて。
別にこれはビックリしただけ。
別にこの頬の熱は…
…うるさく心臓がなる。
あぁ、もうどうしよう。
どうしてこんなにも彼に、感情を左右されなきゃいけないんだ。
遠野のいちいちの行動がずるいんだよ…
…なんかもう、服を決めるのすらどうでもよくなってきてしまった。