無口なキミと同居します。
「いい話でしたね…!!!」
涙脆くない私でも、この映画はうるっときてしまった。この映画、みんな見るべきだと思う。
「良かったな、ほんとに」
柏野先輩も満足そうにニコニコしている。
先輩と2人きり、なんて緊張していたけど、来てよかった。普通に楽しかった。
「柏野先輩、今日は誘ってくれてありがとうございます!本当に楽しかったです」
そうやってお礼を言うと、先輩はいつものようにニコッと笑って、こちらこそと言った。
時間は5時20分。
日もだんだん暮れ初めてきた。
「桜崎、今日少し帰るの遅くても大丈夫?」
突然、先輩がそう言った。