無口なキミと同居します。
え、どういうことだろう。
映画を観おわってしまった今、完全に解散する感じかな、という気がしてた。
でも、どうやら違うみたいで、
「桜崎が良ければこの後ご飯でもどうかなって思ってたんだけど」
…どうしてこんなにも先輩は、優しく笑うんだろう。
その言葉を聞いて、もっと先輩と話してみたいな、なんて思ったりして。
「大丈夫です!」
なんて、二つ返事で了承した。
私って調子のいいやつ。
…あぁ、でも、遠野はどうしよう。
いつもは私が夜ご飯を作るけど、食べに行ってしまっては作ることなんて出来ない。
(仕方ないよね、今日は自分でどうにかしてもらおう)
私はスマホをバッグから取り出して、
「ごめんね、先輩とご飯食べに行くから夕飯は1人で用意して食べて」
と、メッセージを送った。
「じゃあ、行こうか」
「はい!」
先輩に言われるまま、私は後をついて行った。