無口なキミと同居します。


「えっ、ちょっ………!?」



遠野は私の手を掴んだまま、また寝た。

え、私の手……っ。



「……起きてよ、遠野……」



遠野は、頬を触っていた手をそのまま掴んだまま寝たのだから、

私の手はまだ、遠野の頬。


下手に振り回せば、………叩いてしまう。



……力、強いなぁ。


手首を掴む彼の手はなんだか大きくて、
離してもらえる気配なんてない。



でも、掴まれたままだと私なにも出来ないんだけど…。


そう思うのに動けないから、仕方なくその場に座った。



< 16 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop