無口なキミと同居します。



「……一緒に来てくれたら、夕食好きなものにしてあげるよ」



苦し紛れに食べ物で釣ってみた。

まぁ、きっと呆れ顔が返ってくる……


…そんなこと思っていたのに。



「………じゃあ、親子丼」


思ってたのに!


つられちゃったよ、この人。
えええ…なんでや。


そんなに単純な人だったのキミは。


つっといて失礼だけど、まさかつれると思わなかったんだもん。


あっさりと答えた彼は「着替えてくる」とぼそりと呟いて、部屋に戻っていった。



「謎すぎる………」


……やっぱり子どもとかなのかな?


あの人、愛想ないし、可愛げない顔してるのに、こんなにも………。


でも、よかった…。


嬉しい。

そう思ったら頬が緩んでしまった。




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