無口なキミと同居します。



『………部活、入んないの』


「え?」



遠野の声が小さくて聞こえなかった。

え、なんて言ったの?



『……………和沙は部活、入んないの』


「えっ、と…」



じっと目を見られて、彼が私に話しかけることなんてあんまりない。

質問とか、いつも私ばっかり。



『なに、きょどってんの』


「違うしっ!」



だから、戸惑うのは仕方ない。

しかも、あれだ。彼は私のことを名前で呼ぶんだ。


桜崎が長いとかなんとかで。

名前で呼ばれるのは別にいいけど、少しだけドキッとしてしまうから嫌だ。





< 73 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop