無口なキミと同居します。
ちょっとだけ目を細めて、私から目線を外して黙る。
「今日、蛍のこと探しに来てたから部活には少しだけ遅れたかも………」
そう、私がふと呟いてみれば、『あぁ』って小さく言った。
『………柏野先輩?』
「???そーなの?」
疑問系で聞かれても、私何にも分からないし。
多分、柏野先輩って言うらしい。
「ありがと」
『…………間違えてたら、笑えるけど』
そう言って遠野は意地悪そうに笑った。
ちょっと言い返してやろう、なんて思ったけど、
遠野のその笑みはやっぱり少しだけ大人っぽくてなんとなく反抗出来なくなる。
私は、こんなにも彼が表情を変えるのが好きなのか。