光の少女Ⅰ【覚醒編】
二人が中庭に戻って来ると、そこには荷物を持った火焔がいた。


「何だ、二人で何処か行ってたのか?」

「ああ。ちょっとな。火焔、お前はどうしたんだ?」

「・・・火の国に戻ろうと思ってな。手紙にも書いてあったし。お前達は、次は雷の国へ行くんだろ?」

「うん。多分そうなると思う」

「そうか。夜天、お前はこのままついていくのか?」


火焔が夜天を見る。


「そのつもりだけどな」

「なら、雷牙によろしく言っといてくれ」


そう言い飛竜に飛び乗った火焔に花音は慌てて口を開いた。


「火焔くん!あのさ、夜・・・」

「・・・夜?」

「何かあったのか?」


首を傾げた火焔と聞こえた夜天の声に我に返って首を振る。


「な、何でもない。・・・気を付けてね」

「ああ。・・・・・・そっちこそ、色々気を付けろよ」


そう言うと火焔は今度こそ行ってしまった。
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