光の少女Ⅰ【覚醒編】
3
「・・・・・・」
夕食を終え、与えられた部屋へ戻ると花音はベッドで眠りについていた。
「・・・ん・・・?」
眠ってどのくらい経ったのか、不意に人の気配を感じて目を覚ます。
「風夜?光輝?夜天くん?雷牙くん?」
ベッド横に立っている人影に夜中に来るとは思えないものの、思い付く名を上げたが返事はない。
それを不思議に思って見上げ、手に何か光る物を持っているのに気付く。
「っ・・・」
振り下ろされたそれを咄嗟に避ける。
避けたことで枕に突き刺さった物を見ると、それは短剣だった。
突き刺した人物は黒いフード付きのマントを着ていて顔が見えない。
再びその人物が短剣を構えなおしたのを見て、花音は部屋を飛び出した。
「はぁ、はぁ・・・」
城の中にいてはまずいと思い、外に出る。
何処へ逃げればいいかわからないが、追ってくる者から逃れる為走り出す。
城から出てしまえば、風夜達に助けを求めることも出来ないが、なるべく自分でどうにかしたかった。
何とか追ってくる者を撒けないかと何度か角を曲がる。
だが、広場まで来たところで花音は自分が此処に来るように追い込まれたのだと気付いた。
先は行き止まりでとうとう追い付かれる。
「・・・悪いな」
「えっ?」
(この声!!)
聞き覚えのある声に気をとられ、迫ってきていた短剣に気付くのが遅れ、痛みに備えて目を閉じる。
「ぐっ・・・」
だが痛みは訪れず、呻き声と短剣の落ちる音に目を開いた。
「・・・・・・」
夕食を終え、与えられた部屋へ戻ると花音はベッドで眠りについていた。
「・・・ん・・・?」
眠ってどのくらい経ったのか、不意に人の気配を感じて目を覚ます。
「風夜?光輝?夜天くん?雷牙くん?」
ベッド横に立っている人影に夜中に来るとは思えないものの、思い付く名を上げたが返事はない。
それを不思議に思って見上げ、手に何か光る物を持っているのに気付く。
「っ・・・」
振り下ろされたそれを咄嗟に避ける。
避けたことで枕に突き刺さった物を見ると、それは短剣だった。
突き刺した人物は黒いフード付きのマントを着ていて顔が見えない。
再びその人物が短剣を構えなおしたのを見て、花音は部屋を飛び出した。
「はぁ、はぁ・・・」
城の中にいてはまずいと思い、外に出る。
何処へ逃げればいいかわからないが、追ってくる者から逃れる為走り出す。
城から出てしまえば、風夜達に助けを求めることも出来ないが、なるべく自分でどうにかしたかった。
何とか追ってくる者を撒けないかと何度か角を曲がる。
だが、広場まで来たところで花音は自分が此処に来るように追い込まれたのだと気付いた。
先は行き止まりでとうとう追い付かれる。
「・・・悪いな」
「えっ?」
(この声!!)
聞き覚えのある声に気をとられ、迫ってきていた短剣に気付くのが遅れ、痛みに備えて目を閉じる。
「ぐっ・・・」
だが痛みは訪れず、呻き声と短剣の落ちる音に目を開いた。