光の少女Ⅰ【覚醒編】
「さあ、気になって仕方ないみたいですし、顔を見せてあげたらどうですか?」
「「「・・・・・・」」」
その言葉に三人の手がフードにかかり、ゆっくりと外されていく。
「・・・・・・嘘っ・・・」
「お前ら!?」
フードを外した姿に目を見開く。そこにいたのは、火の国へ戻ったはずの火焔とまだ再会していなかった水蓮と大樹だった。
「どうして・・・?」
自分を狙ってきたのが彼等とは信じられなかった。
「おい!一体どういうことなんだ?お前ら、何を考えているんだよ!?」
「「「・・・」」」
声を荒げた雷牙に三人は答えない。
「何で何も言わないんだよ!」
「ふふ、言えるわけないわよね。貴方方は自分達の国が私達に狙われるのが嫌で、私達に協力することにしたんだから」
そう言って、聖は雷牙を見た。
「それで雷の国はどうするのかしら?火・水・地の国と違って返事はまだないのだけど」
「・・・そんなの決まってるだろ。俺は・・・、この国はお前達に協力する気はない!」
言いきった雷牙に聖から表情が消える。
「そう・・・。まあ、いいわ」
そう言って聖が指を鳴らす。
それと同時に陰が雷牙を拘束した。
「雷牙くん!」
「人の心配してる場合?私達の狙いは貴女なのよ」
その声に視線を戻すと、聖の手に陰が集まっていた。
聖だけではない。火焔の手には炎が、水蓮の手には水が集まり、大樹の手は地面に当てられている。
「・・・悪いな、花音」
「・・・出来るならこんなことしたくないけど」
「こうしないと私達の国が危ないの。許して・・・」
「やめろ!」
身動きのとれない雷牙の声に構わず、四つの力が迫ってくる。
それを避けることも防ぐこともしないで立ち尽くしていた花音と迫ってくる力の渦の間に誰かが割ってはいってくるのが見えた。