光の少女Ⅰ【覚醒編】

第6章 元の世界へ

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「そうか・・・」


王と王妃の寝室。そこで先程のことを話すと、王は少し考えてから雷牙を見た。


「雷牙、お前はこのままついていきなさい」

「!しかし、王・・・」

「私達は陰の一族側につくつもりはない。・・・お前達がこの国を脱出する時間は稼ごう」

「でも・・・」


その言葉に風の国でのことを思い出す。


『俺はこの国の第一皇子だ。国民を置いて逃げるわけにはいかない』

『またいつか、一緒にお茶を飲んだり、遊びに行こうね』


脱出する前の空夜と風華の言葉を思い出す。

あの二人はどうなったのか、今でもわからない。

そして、この国も風の国のように陰に覆われてしまうのか。


「・・・・・・わかりました。行ってきます・・・父上、母上」


その時、聞こえてきた雷牙の声に花音ははっとする。


「ああ」

「気をつけて」

「父上、母上もどうか御無事で」


そう言って雷牙が踵を返す。

雷牙が脱出を決めた以上、花音に何も言うことは出来なかった。
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