光の少女Ⅰ【覚醒編】
「光輝・・・?」
「大丈夫。・・・俺と姉上はまた会えたじゃないか。・・・次もまた会えるよ」
「えっ?」
次という言葉を疑問に思うと同時に、光輝に身体を押される。
門が光り出して、その中に引っ張られるような力を感じ、慌てて手を伸ばしたが、それより早く時空の中へ吸い込まれていく。
「風夜!光輝!夜天くん!雷牙くん!」
次第に彼等の姿は遠くなっていく。
精一杯叫んだ花音の声に彼等が振り返ったのを見たと同時に、彼等の姿は消え、気が付いた時には見覚えのある家の前にいた。
「此処・・・、私の家・・・」
呆然と呟いた時、家の扉が開いた。
「えっ!?花音!?」
「お母・・・さん・・・」
「どうして、花音が・・・。向こうに残ったんじゃ・・・」
戸惑ったように口を開いた母の声を聞いた途端、張りつめていたものが切れた気がして、その場に座り込む。
「ちょっ、花音!どうしたの!?」
「お母さん・・・、私・・・、私・・・何も出来なかった・・・。・・・光輝を・・・皆を・・・、見捨ててきちゃったよ・・・」
そう言い泣き出した花音を、母がそっと抱き締めてくる。
そのせいで余計に涙が溢れてきた。