光の少女Ⅰ【覚醒編】
2

近くに来た竜に顔を擦りつけられ、花音はクスクスと笑う。


「ちょ、擽ったいよ」


そう言いながら、周りに視線を動かすと、いつの間にか皇子達を乗せてきたのだろう飛竜達に囲まれていた。


(私のこと、励ましてくれてるのかな?)


そう思った時、第三者の声が聞こえてくる。


「飛竜達がそんなに懐くなんて、珍しいわね。余程貴女のことが気になるのかしら?」


その声のした方を見ると、シンプルなドレスを着た少女がいた。

その少女がさっき風夜達といた一人だと気付いて花音は慌てる。

そんな花音を見て、少女はクスリと笑みを零した。


「私達のこと、怖い?」


いきなり聞いてきた少女に、はっきり答えていいのか迷う。


「風夜から事情は聞いてるわ。貴女、別世界から来たんでしょ?そこでは、私達のような力はないの?」

「う、うん。だから、少し驚いちゃって」


そう返すと、少女は笑みを浮かべた。
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