光の少女Ⅰ【覚醒編】
「探しましたよ!風夜様達が戻ってこいと。それに昼食の準備も出来てます」

「あら?もしかして、皆怒ってる?」

「はい。突然何処かに行って、戻らないと」


聖が答えると、水蓮は軽く笑って花音を見た。


「昼食だって。貴女も行くでしょ?」

「わ、私は」


差し出された手に、花音は戸惑う。

今度は風夜達にどんな顔をして会えばいいのかわからない。

理由もはっきりとしないまま、昨日から思いっきり避けてしまったのだから。

そんな花音の心情を知らず、水蓮は花音の手を掴んだ。


「大丈夫よ。貴女に文句は言わせないから。それに私達は貴女と会うのを楽しみにして来たの。だから、行きましょう」

「なら、私は花音様のお食事も皆さんと同じ食堂に出すように伝えてきますね」


そう言って走っていく聖の後ろ姿と、水蓮に掴まれたままの腕を見て、花音は覚悟を決めるしかなかった。
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