光の少女Ⅰ【覚醒編】
4

「よし!」

翌日、朝早く目を覚ました花音は身支度を整え、軽く気合いを入れるように呟いた。

昨日の風夜達の話で彼等が湖に行こうとしているのは知っている。

それに付いて行くつもりだった。

時計を見て、風夜達に置いていかれないよう先回りしようと部屋を出る。

すると、ちょうど通りかかった聖と会った。


「花音様、お早いですね。お出掛けですか?」

「うん。風夜達についていこうと思って」

「ついていくって、風夜様達はこの間の湖に調査に行くのでは?一度退治したから出ないとは限らないんですよ?」

「でも、出るとも限らないよね?それにこの世界にいるなら、早く慣れないと。怖いなんて言っていられないんでしょ?」


そう言った花音に、何故か聖の表情が曇る。

その理由を聞こうとしたが、聖はその前に一礼して立ち去ってしまった。


「聖ちゃん、どうしたんだろ?」


それを見送りながら呟き、ふと我に返る。

そして、風夜達が移動に使うだろう飛竜達がいる中庭へと急いだ。
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