光の少女Ⅰ【覚醒編】
「はぁ」


結局ついてきた花音に風夜達が溜め息をつくのを見て、水蓮が顔をしかめる。


「ついてきちゃったんだから、仕方ないでしょ?何時までも五人揃って溜め息つかないでくれない」

「お前、どっちの味方なんだよ?」

「決まってるでしょ?花音よ。あの子が自分で決めたんだから、いいじゃない」

「それにしても、今日はいないみたいだね」


火焔と水蓮の会話を聞きながら、花音は辺りを見回した。


「無理してついてくることなかったんだぞ」


風夜に言われて、花音は苦笑する。

その時、視界に何か黒いものがうつり、身体が強張る。

この間、見たものより大きい。


「どうした?」

「今、この前より大きいのがいたかも」

「何っ!?」


花音が言うと、全員が身構える。

その直後、陰が手のように伸びてきた。
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