光の少女Ⅰ【覚醒編】
2


「昨日は楽しかったね」


お茶会をした次の日、一緒に食堂へ向かいながら、風華が言う。


「風兄様達も喜んでたよ」

「そうなの?」

「うん。皆が揃うなんて有事の時くらいだし、そんな時は堅苦しい会議しかしないし、終わればすぐに帰るから」

「そうなんだ」


それぞれ国が違うのだから、仕方ないかもしれないが、そんな関係は少し寂しかった。

お茶会や今までの様子を見ていると、風夜達はとても仲がよさそうに見えたのだから。

それと同時に、元の世界にいる両親や友人を思い出す。


(皆は私が急にいなくなって、どう思ってるんだろう?)



「花音ちゃん?」


急に黙りこんだ花音に風華が声を掛けてくる。

それに何でもないと首を振った時、反対側から空夜が歩いてきた。
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