光の少女Ⅰ【覚醒編】
顔を俯かせたまま、両親は答えない。
それに溜め息をついて、口を開いたのは王だった。
「光輝は、お前の弟だ」
「風真!」
父が咎めるような声を上げた。
ー『ねーさま!』ー
記憶の何処かで、幼い少年が笑顔で呼ぶ。
「っ!」
「花音!!」
踵を返し、謁見の間を飛び出す。
後から空夜の声がしたが、構わず走った。
頭が痛い。
何が何だかわからない。
後から追い掛けてくる足音から逃げるように走っていると、ある扉から風夜達が出てくるのが見えた。
「風夜!捕まえろ!」
風夜達の横を抜けようとした時、空夜の声がした。
その声に反応した風夜に腕を掴まれる。
「いや、放して!」
「おい、どうしたんだよ!?」
風夜に掴まれた腕を振り払おうと暴れるが、逆に抑え込もうと力をこめられる。
その時、花音の耳に誰かの溜め息が聞こえた。
「ごめん」
火焔の小さな謝罪が聞こえ、首筋に衝撃がはしる。
手刀を入れられたのだと思った時には、身体から力が抜けていた。
それに溜め息をついて、口を開いたのは王だった。
「光輝は、お前の弟だ」
「風真!」
父が咎めるような声を上げた。
ー『ねーさま!』ー
記憶の何処かで、幼い少年が笑顔で呼ぶ。
「っ!」
「花音!!」
踵を返し、謁見の間を飛び出す。
後から空夜の声がしたが、構わず走った。
頭が痛い。
何が何だかわからない。
後から追い掛けてくる足音から逃げるように走っていると、ある扉から風夜達が出てくるのが見えた。
「風夜!捕まえろ!」
風夜達の横を抜けようとした時、空夜の声がした。
その声に反応した風夜に腕を掴まれる。
「いや、放して!」
「おい、どうしたんだよ!?」
風夜に掴まれた腕を振り払おうと暴れるが、逆に抑え込もうと力をこめられる。
その時、花音の耳に誰かの溜め息が聞こえた。
「ごめん」
火焔の小さな謝罪が聞こえ、首筋に衝撃がはしる。
手刀を入れられたのだと思った時には、身体から力が抜けていた。