光の少女Ⅰ【覚醒編】
2
両親がこの世界に来てから一週間。
両親が明日帰るという日になっても、まだ結論は出ていなかった。
それについて聞いてくる人はいなかったが、皆何処か気にしているようで、花音は夜天が話したいことがあると言っていたのを思いだし、話を聞きに行くことにした。
夜天に与えられている部屋の前で一度大きく深呼吸をしてから、扉を叩く。
すぐに返事が返ってきて、花音は静かに扉を開けた。
中に入ると、夜天は読んでいた本を閉じて、椅子を指す。
「座って」
「う、うん」
言われた通りに座った花音に、向かい合うように夜天も座ったのを確認して、話をきりだした。
「私に話があるって、言ったよね?」
「ああ。その前に、お前大丈夫なのか?」
「えっ?」
何の話がしたいのかと身構えていた花音は、夜天に聞かれ、首を傾げる。
「お前、光輝の名前を聞いてから、様子がおかしくなったらしいからな」
「・・・大丈夫。前と違って、少しずつだけど思い出してるの」
夜天にそう返す。
『光輝』、彼の名前を聞いて花音が取り乱してから数日。
誰もがその名前を出さないよう気を使ってくれていた。
だが、今、夜天は彼の名を出した。
そのことで、夜天は光輝のことを話そうとしているのだと思った。
両親がこの世界に来てから一週間。
両親が明日帰るという日になっても、まだ結論は出ていなかった。
それについて聞いてくる人はいなかったが、皆何処か気にしているようで、花音は夜天が話したいことがあると言っていたのを思いだし、話を聞きに行くことにした。
夜天に与えられている部屋の前で一度大きく深呼吸をしてから、扉を叩く。
すぐに返事が返ってきて、花音は静かに扉を開けた。
中に入ると、夜天は読んでいた本を閉じて、椅子を指す。
「座って」
「う、うん」
言われた通りに座った花音に、向かい合うように夜天も座ったのを確認して、話をきりだした。
「私に話があるって、言ったよね?」
「ああ。その前に、お前大丈夫なのか?」
「えっ?」
何の話がしたいのかと身構えていた花音は、夜天に聞かれ、首を傾げる。
「お前、光輝の名前を聞いてから、様子がおかしくなったらしいからな」
「・・・大丈夫。前と違って、少しずつだけど思い出してるの」
夜天にそう返す。
『光輝』、彼の名前を聞いて花音が取り乱してから数日。
誰もがその名前を出さないよう気を使ってくれていた。
だが、今、夜天は彼の名を出した。
そのことで、夜天は光輝のことを話そうとしているのだと思った。