光の少女Ⅰ【覚醒編】



次の日、花音は両親と共に謁見の間にいた。

人払いがしてあるのか、花音と両親、王の四人だけだ。


「それで、答えは出たのか?」

「はい」


王に聞かれて、表情を引き締める。


「私は・・・・・・この世界に残ります」

「花音!?」


花音の答えに母が声を上げる。

少し胸が痛んだが、もう決めたのだ。

王から両親の方へ視線を移す。

母は悲しげに、父は真剣な眼差しで見つめていた。


「花音、本気なのか?」

「うん」


父から視線を逸らさず、花音は頷く。


「此方に残ったら、そう簡単には向こうに戻れない。何があるのかもわからない。それでも、残るのか?」

「・・・うん」

「・・・そうか。わかった」

「貴方!?」


少しの沈黙の後、諦めたように言った父に母が抗議の声を上げる。


「仕方ないだろう。これが花音の答えなんだ。・・・風真」


顔を俯かせた母から、父は王へ視線を移した。
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