光の少女Ⅰ【覚醒編】
「風夜、もう行くの?」

「ああ」


風夜が花音の両親を見る。


「転移場所まで送ります」

「ああ。お願いするよ」


父が答え、両親がそれぞれ飛竜に乗る。


「花音、お前も行くか?」

「う、うん」


風夜に聞かれ、頷く。

風夜に手を借りて乗り、彼の腰に手を回すと、かすかに両親の笑い声が聞こえた。

「花音はやっぱり一人では乗れないみたいだな」

「仕方ないわ。小さい頃は私達と乗っていたし、向こうの世界に飛竜はいないもの」


優しげな笑みを向けながら話す両親に、花音は顔を赤らめる。


「しっかり掴まってないと落ちるぞ。じゃあ、行きますよ」


風夜が言って、飛竜の腹を軽く蹴る。

上昇を始めた飛竜に、両親はちゃんとついてくる。

飛竜に乗って飛んでいくと、段々と見えてきたのは、花音がこの世界に来た時にいた森だった。
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