光の少女Ⅰ【覚醒編】
「・・・大丈夫か?」
両親がいなくなった後、涙を拭いていた花音に風夜が声を掛けてくる。
「・・・大丈夫だよ。私が決めたんだもの」
「・・・わかった。帰ろう」
風夜が言い、再び飛竜に乗る。行きとは違い、誰も乗っていない二匹の飛竜を見て、止まった筈の涙がまた零れる。
「花音?」
「何でも、ないよ」
誤魔化すように風夜の背に額をくっ付ける。
その時、また涙が零れたが、彼は気付かない振りをしてくれたようだった。
「あいつら・・・」
城の上空に来た時、風夜がそう呟くのが聞こえた。
地上を見ると、飛竜の着地地点である中庭に数人の姿が見える。
段々と近付くにつれて、それが誰なのかがわかった。
飛竜から下りると、風華と水蓮が駆け寄ってくる。その後には、火焔、夜天、大樹、雷牙の姿もあって、花音は笑みを浮かべる。
両親との別れは辛かったが、帰りを待っててくれ、傍にいてくれる皆の気持ちが嬉しかった。
(ねぇ、光輝。今、貴方は何をしているのかな?貴方が私との再会を願ってくれるように、私も貴方と会いたいよ)
暖かい気持ちになりながら見上げた空。
同じ空の下にいるだろうこの世界での唯一の家族である弟に、花音はそう願った。
両親がいなくなった後、涙を拭いていた花音に風夜が声を掛けてくる。
「・・・大丈夫だよ。私が決めたんだもの」
「・・・わかった。帰ろう」
風夜が言い、再び飛竜に乗る。行きとは違い、誰も乗っていない二匹の飛竜を見て、止まった筈の涙がまた零れる。
「花音?」
「何でも、ないよ」
誤魔化すように風夜の背に額をくっ付ける。
その時、また涙が零れたが、彼は気付かない振りをしてくれたようだった。
「あいつら・・・」
城の上空に来た時、風夜がそう呟くのが聞こえた。
地上を見ると、飛竜の着地地点である中庭に数人の姿が見える。
段々と近付くにつれて、それが誰なのかがわかった。
飛竜から下りると、風華と水蓮が駆け寄ってくる。その後には、火焔、夜天、大樹、雷牙の姿もあって、花音は笑みを浮かべる。
両親との別れは辛かったが、帰りを待っててくれ、傍にいてくれる皆の気持ちが嬉しかった。
(ねぇ、光輝。今、貴方は何をしているのかな?貴方が私との再会を願ってくれるように、私も貴方と会いたいよ)
暖かい気持ちになりながら見上げた空。
同じ空の下にいるだろうこの世界での唯一の家族である弟に、花音はそう願った。