光の少女Ⅰ【覚醒編】
第6章 覚醒
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「あれ?」
両親と別れてから一週間が経ち、いつものように朝食の時間に食堂へ顔を出した花音は、風華と水蓮の姿しかないことに首を傾げた。
「他の皆は?」
「風夜達なら、男手が必要だって皆駆り出されてるわよ」
「何かあるの?」
紅茶を啜りながら答えた水蓮に花音が聞くと、今度は風華が答えてくれた。
「明日、御祭りがあるの。兄様達はその準備だよ」
「御祭り?」
「正確には、風の国と火の国が同盟を結んだ日で、その記念式典を兼ねたものよ。だから、今は国境も緩くなってて、人の出入りも多くなっているの」
「そうなんだ」
(御祭りか。折角だし、行ってみたいな)
花音は、そんなことを思いながら朝食に手をつけた。
「失礼します」
「どうぞ」
朝食後、部屋へ戻ってきた花音のところへ聖が来る。
部屋の掃除をしながら、聖は話し掛けてきた。
「花音様は、明日の御祭りに行かれるのですか?」
「うーん。行ってみたいなとは思うけど、一人で行ってもね」
「毎年、風華様と水蓮様は一緒に行ってますし、言えば喜んでいれてくれると思いますよ」
「そうかな」
「はい」
「じゃあ、誘ってみようかな?」
花音はそう言い、二人のところへ行こうと部屋を出る。
後で聖が怪しげな笑みを浮かべていたことには気付かなかった。
「あれ?」
両親と別れてから一週間が経ち、いつものように朝食の時間に食堂へ顔を出した花音は、風華と水蓮の姿しかないことに首を傾げた。
「他の皆は?」
「風夜達なら、男手が必要だって皆駆り出されてるわよ」
「何かあるの?」
紅茶を啜りながら答えた水蓮に花音が聞くと、今度は風華が答えてくれた。
「明日、御祭りがあるの。兄様達はその準備だよ」
「御祭り?」
「正確には、風の国と火の国が同盟を結んだ日で、その記念式典を兼ねたものよ。だから、今は国境も緩くなってて、人の出入りも多くなっているの」
「そうなんだ」
(御祭りか。折角だし、行ってみたいな)
花音は、そんなことを思いながら朝食に手をつけた。
「失礼します」
「どうぞ」
朝食後、部屋へ戻ってきた花音のところへ聖が来る。
部屋の掃除をしながら、聖は話し掛けてきた。
「花音様は、明日の御祭りに行かれるのですか?」
「うーん。行ってみたいなとは思うけど、一人で行ってもね」
「毎年、風華様と水蓮様は一緒に行ってますし、言えば喜んでいれてくれると思いますよ」
「そうかな」
「はい」
「じゃあ、誘ってみようかな?」
花音はそう言い、二人のところへ行こうと部屋を出る。
後で聖が怪しげな笑みを浮かべていたことには気付かなかった。