光の少女Ⅰ【覚醒編】
「はぁ・・・はぁ・・・、きゃあっ!?」
「うわっ!?」
中庭から逃げるように走っていた花音は角を曲がった所で、前から来た誰かとぶつかってしまった。
「いたっ・・・」
反動で思いっきり尻餅をついてしまった花音に手が差し出される。
「大丈夫かい?」
「大樹くん・・・」
手を差し出して優しく笑う大樹の後に風夜達の姿も見付け、花音はホッとした。
済まなそうにしている風夜を見て、ぶつかった相手が彼だとわかる。
「慌ててたみたいだけど、何かあったのか?」
大樹の手を借りて立ち上がった花音に火焔が聞いてくる。
それに答えようとした花音だったが、後から聞こえてきた声に肩を震わせた。
「風夜様!皆様もお戻りでしたか?」
小走りでやって来る聖に、花音は一番近くにいた大樹の背に隠れる。
風夜達がそれを不思議そうに見てきたが、今は聖と目を合わせられなかった。
「聖か。何だ?」
「王が皆様をお呼びです。至急、謁見の間に来るようにと」
「わかった」
風夜達が顔を見合わせて頷く。
謁見の間に走り出した風夜達の姿を見送っていた花音は、嫌な雰囲気を感じて聖の方を見て身体を震わせる。
真っ直ぐに花音を見ていた聖の表情は、凍りつくような冷たい笑みだった。
「うわっ!?」
中庭から逃げるように走っていた花音は角を曲がった所で、前から来た誰かとぶつかってしまった。
「いたっ・・・」
反動で思いっきり尻餅をついてしまった花音に手が差し出される。
「大丈夫かい?」
「大樹くん・・・」
手を差し出して優しく笑う大樹の後に風夜達の姿も見付け、花音はホッとした。
済まなそうにしている風夜を見て、ぶつかった相手が彼だとわかる。
「慌ててたみたいだけど、何かあったのか?」
大樹の手を借りて立ち上がった花音に火焔が聞いてくる。
それに答えようとした花音だったが、後から聞こえてきた声に肩を震わせた。
「風夜様!皆様もお戻りでしたか?」
小走りでやって来る聖に、花音は一番近くにいた大樹の背に隠れる。
風夜達がそれを不思議そうに見てきたが、今は聖と目を合わせられなかった。
「聖か。何だ?」
「王が皆様をお呼びです。至急、謁見の間に来るようにと」
「わかった」
風夜達が顔を見合わせて頷く。
謁見の間に走り出した風夜達の姿を見送っていた花音は、嫌な雰囲気を感じて聖の方を見て身体を震わせる。
真っ直ぐに花音を見ていた聖の表情は、凍りつくような冷たい笑みだった。