光の少女Ⅰ【覚醒編】
上から下まで黒ずくめの男の鋭い視線に身体が凍り付いたように動かなくなる。
その時、男に気付いた風夜と火焔が花音を隠すように立ってくれたことで、花音は大きく息をはき、緊張を解く。
二人は平気のようだったが、花音は男の鋭い視線にこれ以上射ぬかれるのは耐えられなかった。
「お前も、陰の一族か?」
「そうだ」
剣に手を掛けた風夜に男が答える。
そのまま無言の睨み合いになっていたが、先に視線を逸らせたのは男の方だった。
「我等の目的の為には手段を選ぶつもりはないが、今は分が悪い。今日のところは退かせてもらうぞ」
「待てっ!」
男の言葉が終わると同時に空間が歪む。一瞬後には、聖と男の姿はなかった。
「くそっ、逃がしたか」
「とにかく、雷牙達にも話したほうがいいんじゃないか?」
悔しそうに舌打ちした風夜に火焔がそう声を掛ける。
それに頷いた風夜が花音に視線を移してくる。
「花音、俺と火焔は父上達に報告に行くけど、お前はどうする?」
「・・・私は部屋に戻るよ」
「・・・わかった」
風夜と火焔が頷いたのを見て、花音は二人に背を向け歩きだした。
その時、男に気付いた風夜と火焔が花音を隠すように立ってくれたことで、花音は大きく息をはき、緊張を解く。
二人は平気のようだったが、花音は男の鋭い視線にこれ以上射ぬかれるのは耐えられなかった。
「お前も、陰の一族か?」
「そうだ」
剣に手を掛けた風夜に男が答える。
そのまま無言の睨み合いになっていたが、先に視線を逸らせたのは男の方だった。
「我等の目的の為には手段を選ぶつもりはないが、今は分が悪い。今日のところは退かせてもらうぞ」
「待てっ!」
男の言葉が終わると同時に空間が歪む。一瞬後には、聖と男の姿はなかった。
「くそっ、逃がしたか」
「とにかく、雷牙達にも話したほうがいいんじゃないか?」
悔しそうに舌打ちした風夜に火焔がそう声を掛ける。
それに頷いた風夜が花音に視線を移してくる。
「花音、俺と火焔は父上達に報告に行くけど、お前はどうする?」
「・・・私は部屋に戻るよ」
「・・・わかった」
風夜と火焔が頷いたのを見て、花音は二人に背を向け歩きだした。