光の少女Ⅰ【覚醒編】
2
風夜と修行した日から数日後、花音は風華と中庭でお茶を飲んでいた。
「今日も良い天気だね」
「うん」
花音が作ったクッキーを摘みながら、ゆっくりとした時間を過ごす。
聖に裏切られ、火焔達がそれぞれの国へ帰ってしまったのは寂しかったが、それでも何もない平和な時を楽しんでいた。
「風華」
地を踏む音がして、風夜が花音達の方へ歩いてくる。
「あ、風兄様!」
「学問の先生が来たぞ。部屋に戻れ」
「はーい。花音ちゃん、また後でね」
「うん!頑張って!」
手を振り、駆け出していく風華に笑いながら花音はそう返す。
風華がいなくなると、風夜が今まで風華の座っていた椅子に腰を下ろした。
「疲れてるみたいだね」
「ああ。陰の一族のことで、他国に色々伝えないといけないことがあってな。数日前からその書類を片付けていたんだ」
「お疲れ様」
そう返して、ティーカップに紅茶をいれ、風夜に差し出す。
それを口にして息をつくと、風夜は空を見上げた。
暫くそうしていた風夜だったが、不意に空のある一点を見つめ、目を鋭くする。
「何?どうしたの?」
それに気付いて、花音も上を見上げる。
見えたのは一匹の飛竜がふらつきながらも、此方へ飛んでくる姿だった。
「大変!墜ちてくるよ!」
「ちっ!」
空中でバランスを崩した飛竜を見て花音が叫ぶと、風夜が飛竜に向けて風の渦を放つ。
うまく渦に乗った飛竜が地面に降りたのを見て、花音は駆け寄る。
飛竜に乗っていた兵士は傷だらけで、思わず息を飲んだ。
風夜と修行した日から数日後、花音は風華と中庭でお茶を飲んでいた。
「今日も良い天気だね」
「うん」
花音が作ったクッキーを摘みながら、ゆっくりとした時間を過ごす。
聖に裏切られ、火焔達がそれぞれの国へ帰ってしまったのは寂しかったが、それでも何もない平和な時を楽しんでいた。
「風華」
地を踏む音がして、風夜が花音達の方へ歩いてくる。
「あ、風兄様!」
「学問の先生が来たぞ。部屋に戻れ」
「はーい。花音ちゃん、また後でね」
「うん!頑張って!」
手を振り、駆け出していく風華に笑いながら花音はそう返す。
風華がいなくなると、風夜が今まで風華の座っていた椅子に腰を下ろした。
「疲れてるみたいだね」
「ああ。陰の一族のことで、他国に色々伝えないといけないことがあってな。数日前からその書類を片付けていたんだ」
「お疲れ様」
そう返して、ティーカップに紅茶をいれ、風夜に差し出す。
それを口にして息をつくと、風夜は空を見上げた。
暫くそうしていた風夜だったが、不意に空のある一点を見つめ、目を鋭くする。
「何?どうしたの?」
それに気付いて、花音も上を見上げる。
見えたのは一匹の飛竜がふらつきながらも、此方へ飛んでくる姿だった。
「大変!墜ちてくるよ!」
「ちっ!」
空中でバランスを崩した飛竜を見て花音が叫ぶと、風夜が飛竜に向けて風の渦を放つ。
うまく渦に乗った飛竜が地面に降りたのを見て、花音は駆け寄る。
飛竜に乗っていた兵士は傷だらけで、思わず息を飲んだ。