光の少女Ⅰ【覚醒編】
3
風の国の同盟国である火の国。
そこに風の国への襲撃が伝えられたのは、その日の夕刻だった。
「父上、お呼びですか」
自室で執務をこなしていた火焔の所へ兵が呼びに来て、謁見の間へと来た火焔は王の暗い表情に眉をひそめた。
「何かあったんですか?」
「ああ。風の国が」
疲れたように王が口を開き、続いた言葉に火焔は言葉を失った。
「風の国が陰の一族に襲撃され、奴等の手に堕ちた」
「そんな!?風夜達は?花音はどうなったんです?」
「わからぬ。襲撃され、奴等の手に堕ちたとしか。誰が助かったのかも。・・・とにかく、他の国にも知らせなければ。火焔、そちらは任せてよいか。私は、対策を練らなくては」
王が言い、火焔は頷いたが、頭の中は真っ白だった。
何とか自室まで戻ってきて、火焔は座り込む。
頭の中に数週間前まで行動を共にしていた親友の姿が、別れ際の花音の笑顔が浮かんでくる。
(無事だよな。絶対、何処かでまた会えるよな)
熱いものが目の奥からこみ上げてくるのを堪えて、机に向かう。
インクを付けたペンが震えて、上手く書けない。
それでも、他国に伝える為、王から聞いたことを必死で綴った。
風の国の同盟国である火の国。
そこに風の国への襲撃が伝えられたのは、その日の夕刻だった。
「父上、お呼びですか」
自室で執務をこなしていた火焔の所へ兵が呼びに来て、謁見の間へと来た火焔は王の暗い表情に眉をひそめた。
「何かあったんですか?」
「ああ。風の国が」
疲れたように王が口を開き、続いた言葉に火焔は言葉を失った。
「風の国が陰の一族に襲撃され、奴等の手に堕ちた」
「そんな!?風夜達は?花音はどうなったんです?」
「わからぬ。襲撃され、奴等の手に堕ちたとしか。誰が助かったのかも。・・・とにかく、他の国にも知らせなければ。火焔、そちらは任せてよいか。私は、対策を練らなくては」
王が言い、火焔は頷いたが、頭の中は真っ白だった。
何とか自室まで戻ってきて、火焔は座り込む。
頭の中に数週間前まで行動を共にしていた親友の姿が、別れ際の花音の笑顔が浮かんでくる。
(無事だよな。絶対、何処かでまた会えるよな)
熱いものが目の奥からこみ上げてくるのを堪えて、机に向かう。
インクを付けたペンが震えて、上手く書けない。
それでも、他国に伝える為、王から聞いたことを必死で綴った。