光の少女Ⅰ【覚醒編】
水蓮達が火焔からの手紙を読んだのとほぼ同時刻。
城の中を駆け抜け、飛竜のいる場所まで急いでいる夜天の姿があった。
「夜天様、お出かけですか?」
「ああ。光輝のところに行ってくる」
「お気をつけて」
声を掛けてきたメイドにそう答えると、夜天は飛竜に飛び乗った。
闇の国にある街の中で、周りを高い壁に囲まれている街の外に来て、夜天は飛竜から降りた。
通行証を見せ、街の中に入ると一番大きな建物に向かう。
いつもなら取り次いでもらうが、そんなことには構わずに建物に入ると奥の部屋へと足を進める。
扉を勢いよく開け放つと、中にいた金髪の少年が驚いたように振り返った。
「夜天!?どうしたんだ?連絡なしにお前が来るなんて・・・というか、機嫌悪くないか?」
「やっぱり、知らないのか」
いつもと変わらない様子の少年、光輝に夜天が溜め息をつくと、彼は眉をしかめた。
「知らないって、何をだよ?」
「この前、お前の姉がこの世界に来ていて、風の国にいると言っただろ」
「ああ」
「その風の国が陰の一族に襲撃され、奴等の手に堕ちた。お前の姉の安否どころか、全く状況がわからない」
「何、だって?」
夜天が告げたことに光輝は目を見開く。
「そんな、姉上が」
「お前には酷かもしれないけどな。隣国の火の国でも、まだ何もわからないらしい。それどころか、国境を完全に封鎖し、風の国との関係を断つそうだ」
「っ・・・」
夜天が告げた言葉に光輝は一瞬怒りを露にしたが、すぐに力が抜けたように椅子に座ると、顔を俯かせた。
「姉上・・・」
「・・・また何かわかったら、連絡する」
そう言って、踵を返す。
部屋から出ると、中から何かを押し殺すような声が聞こえてきたが、夜天はそのまま立ち去った。
城の中を駆け抜け、飛竜のいる場所まで急いでいる夜天の姿があった。
「夜天様、お出かけですか?」
「ああ。光輝のところに行ってくる」
「お気をつけて」
声を掛けてきたメイドにそう答えると、夜天は飛竜に飛び乗った。
闇の国にある街の中で、周りを高い壁に囲まれている街の外に来て、夜天は飛竜から降りた。
通行証を見せ、街の中に入ると一番大きな建物に向かう。
いつもなら取り次いでもらうが、そんなことには構わずに建物に入ると奥の部屋へと足を進める。
扉を勢いよく開け放つと、中にいた金髪の少年が驚いたように振り返った。
「夜天!?どうしたんだ?連絡なしにお前が来るなんて・・・というか、機嫌悪くないか?」
「やっぱり、知らないのか」
いつもと変わらない様子の少年、光輝に夜天が溜め息をつくと、彼は眉をしかめた。
「知らないって、何をだよ?」
「この前、お前の姉がこの世界に来ていて、風の国にいると言っただろ」
「ああ」
「その風の国が陰の一族に襲撃され、奴等の手に堕ちた。お前の姉の安否どころか、全く状況がわからない」
「何、だって?」
夜天が告げたことに光輝は目を見開く。
「そんな、姉上が」
「お前には酷かもしれないけどな。隣国の火の国でも、まだ何もわからないらしい。それどころか、国境を完全に封鎖し、風の国との関係を断つそうだ」
「っ・・・」
夜天が告げた言葉に光輝は一瞬怒りを露にしたが、すぐに力が抜けたように椅子に座ると、顔を俯かせた。
「姉上・・・」
「・・・また何かわかったら、連絡する」
そう言って、踵を返す。
部屋から出ると、中から何かを押し殺すような声が聞こえてきたが、夜天はそのまま立ち去った。