光の少女Ⅰ【覚醒編】
「それで、これからどうするんだ?」


話を逸らせるように火焔が聞いてきて、花音は風夜を見る。


「特に決めてないな」

「おい!」

「じゃあさ、夜天君のところに行こう。夜天君の国の何処かに光輝もいるみたいだから」

「てことは、闇の国か」


花音が言うと、風夜が呟いた。


「決まりだな」


火焔が言って、笑みを浮かべる。


「よし、じゃあ奴等にばれないうちに出発しよう」


風夜と火焔がそれぞれ飛竜に飛び乗る。

いつもと同じように風夜に飛竜に乗せてもらって、闇の国に向かう。

その途中、花音は胸を高鳴らせていた。


(もうすぐ、光輝に逢える!)


幼い頃、別れたきり会っていない弟との再会が待ち遠しかった。
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