光の少女Ⅰ【覚醒編】

火の国から闇の国に到着したのは、飛竜で五日後だった。

通行証を見せ街に入ると、すぐに城から兵士がやってきて王に謁見するよう伝えられる。

風夜と火焔の後ろから謁見の間に入ると、国王らしい男性と王妃らしい女性が正面の玉座に座っていていて、二人の傍に控えるように夜天が立っていた。

王の前で膝をついた風夜と火焔を見て、花音も慌てて同じようにする。


「風の国が陰の一族に襲われたと聞いていたが、よく無事だったな」

「はい。私達は父上に言われ、奴等が城に到達する前に脱出し、その直後城は奴等に制圧されました」

「だが、何故風の国が襲われたのだ?」

「それは」


王の問いに風夜が視線を移してきて、王と王妃も同じように見てきたのがわかった。
王妃はともかく王の鋭い視線に花音は、思わず身を小さくする。

それがわかったのか、王妃がクスリと笑みをこぼした。


「貴方がそんなに睨むような目で見ているから、彼女が恐がってるわよ」

「父上、あまり花音を恐がらせないでください!後で俺が光輝に睨まれます」

「む」


王妃と夜天に言われ咳払いをした王を見て、花音は笑ってしまい、王と目が合って今度こそ風夜の背に隠れた。
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