光の少女Ⅰ【覚醒編】
「話すら聞いてもらえないのかよ!」
「駄目だ。全員、頭に血が上ってる。先ずは冷静にさせないと」
「向こうが実力行使というなら、こっちもやむを得ないな」
街の人々が力を溜めているのを見て、風夜達の周りにも力が集まっていく。
「ちょっ、待ってよ!皆、落ち着いて!」
慌てて花音は声を上げる。
人数こそ此方が少ないが、風夜達の力は相当なものだ。
このままではお互いに只ではすまないことはわかる。
だが、花音が止められるのは風夜達の方だけで、それではただ街の人々の能力の的になるだけだった。
ペンダントを握り締めて、必死に光輝に呼び掛ける。
花音の能力が覚醒した時、ペンダントを通して別の場所にいた光輝と繋がったのだ。
どうすれば繋がるのか、花音から意識を繋げることが出来るのかもわからなかったが、この場をどうにかできるのは光輝だけだった。
何度目かの呼び掛けでペンダントが淡い光を発し、頭の中で何かが繋がるような感じがする。
そして能力が覚醒した時と同じように光輝の声が聞こえてきた。
『姉上、どうし・・・』
(光輝!お願い、早く此処に来て!)
頭の中に聞こえてきた声に答えると、光輝が黙りこむ。
花音やペンダントを通して光輝が状況を把握したのだろう。
『!わかった。今行く!』
一瞬息をのむ音がして、そう声が聞こえたと思うと向こうから意識を切られた。
光輝の声が聞こえなくなって数分後、突然街の人々の雰囲気が変わった。
誰もが能力を使う為の集中を解き、戸惑った表情を浮かべながら道を開け、出来た道を一人の少年が歩いてくる。
その少年を見て街の人々が頭を下げ、夜天が構えを解いて息をついた。
「久しぶり、姉上」
目の前まで歩いてきた少年がそう言い笑顔を見せた。
その笑顔が記憶の中の光輝と重なる。
幼い頃引き離されてから、数年振りの姉弟の再会だった。
「駄目だ。全員、頭に血が上ってる。先ずは冷静にさせないと」
「向こうが実力行使というなら、こっちもやむを得ないな」
街の人々が力を溜めているのを見て、風夜達の周りにも力が集まっていく。
「ちょっ、待ってよ!皆、落ち着いて!」
慌てて花音は声を上げる。
人数こそ此方が少ないが、風夜達の力は相当なものだ。
このままではお互いに只ではすまないことはわかる。
だが、花音が止められるのは風夜達の方だけで、それではただ街の人々の能力の的になるだけだった。
ペンダントを握り締めて、必死に光輝に呼び掛ける。
花音の能力が覚醒した時、ペンダントを通して別の場所にいた光輝と繋がったのだ。
どうすれば繋がるのか、花音から意識を繋げることが出来るのかもわからなかったが、この場をどうにかできるのは光輝だけだった。
何度目かの呼び掛けでペンダントが淡い光を発し、頭の中で何かが繋がるような感じがする。
そして能力が覚醒した時と同じように光輝の声が聞こえてきた。
『姉上、どうし・・・』
(光輝!お願い、早く此処に来て!)
頭の中に聞こえてきた声に答えると、光輝が黙りこむ。
花音やペンダントを通して光輝が状況を把握したのだろう。
『!わかった。今行く!』
一瞬息をのむ音がして、そう声が聞こえたと思うと向こうから意識を切られた。
光輝の声が聞こえなくなって数分後、突然街の人々の雰囲気が変わった。
誰もが能力を使う為の集中を解き、戸惑った表情を浮かべながら道を開け、出来た道を一人の少年が歩いてくる。
その少年を見て街の人々が頭を下げ、夜天が構えを解いて息をついた。
「久しぶり、姉上」
目の前まで歩いてきた少年がそう言い笑顔を見せた。
その笑顔が記憶の中の光輝と重なる。
幼い頃引き離されてから、数年振りの姉弟の再会だった。