光の少女Ⅰ【覚醒編】
3
光輝の屋敷に戻り、夕食を摂った後、花音は彼の執務室を訪れていた。
「姉上、話って?」
椅子に座って真っ直ぐに見てくる光輝から花音は僅かに視線を逸らせていたが、決心がついたように口を開いた。
「あのね、街の人に聞いたんだけど、各一族に一つずつ宝珠があるんだってね。この一族の宝珠が何処にあるか知ってる?」
「・・・ああ」
頷いた光輝の声は硬い。
それに花音も気付いたが、それでも続けた。
「それでね、その宝珠が何処にあるか教えてほしいんだけど」
花音はそう言って、恐る恐る光輝の表情を見る。
光輝の表情は声と同じく硬く険しかったが、どこか戸惑っているようにも見えた。
「姉上」
「えっ!?」
「姉上はどうして宝珠が必要なんだ?」
「どうしてって、陰の一族をどうにかするには宝珠が必要かもしれないって聞いたから」
そこまで言って、花音は息をのんだ。
光輝の表情が冷たいものに変わる。
「光・・・輝・・・?」
「ほっとけばいい!あいつらには関わらないと俺達は決めたんだ」
「でも!このままじゃ、風の国だけじゃなく他の国も危険になるかもしれないんだよ」
「その時はその時だ。自分達の国は自分達で何とかすればいい」
その言葉がショックだった。
花音の中では光輝は優しい少年だったから。
彼がそんなことを言うのが信じられなかった。
光輝の屋敷に戻り、夕食を摂った後、花音は彼の執務室を訪れていた。
「姉上、話って?」
椅子に座って真っ直ぐに見てくる光輝から花音は僅かに視線を逸らせていたが、決心がついたように口を開いた。
「あのね、街の人に聞いたんだけど、各一族に一つずつ宝珠があるんだってね。この一族の宝珠が何処にあるか知ってる?」
「・・・ああ」
頷いた光輝の声は硬い。
それに花音も気付いたが、それでも続けた。
「それでね、その宝珠が何処にあるか教えてほしいんだけど」
花音はそう言って、恐る恐る光輝の表情を見る。
光輝の表情は声と同じく硬く険しかったが、どこか戸惑っているようにも見えた。
「姉上」
「えっ!?」
「姉上はどうして宝珠が必要なんだ?」
「どうしてって、陰の一族をどうにかするには宝珠が必要かもしれないって聞いたから」
そこまで言って、花音は息をのんだ。
光輝の表情が冷たいものに変わる。
「光・・・輝・・・?」
「ほっとけばいい!あいつらには関わらないと俺達は決めたんだ」
「でも!このままじゃ、風の国だけじゃなく他の国も危険になるかもしれないんだよ」
「その時はその時だ。自分達の国は自分達で何とかすればいい」
その言葉がショックだった。
花音の中では光輝は優しい少年だったから。
彼がそんなことを言うのが信じられなかった。