光の少女Ⅰ【覚醒編】

光輝と言い合いをしてしまった次の日、花音は朝から飛竜の待機しているところまで来た。


(教えてもらえないなら、自力で探すしかないよね)


そう思いながら飛竜を起こそうとして手を止める。


「私、まだ一人じゃ乗れないんだった」


だが、風夜達に頼んで一緒に行ってもらうわけにはいかない。

光輝や街の人々の態度を見ても、勝手に他の一族に宝珠のある場所をばらしてはいけない気がした。


「仕方ない。まだ早いし、そんなに広い街でもないみたいだから歩いて探そう」


そう呟いて、花音は踵を返した。
宝珠を探し始めて二時間。

花音は光の街を一望出来る位の高い塔の前にいた。


「この一番上まで行けば、宝珠がありそうなところを探せるかな」


人気のない塔の入口を花音は開こうとする。

だが、鍵が掛かっているのか扉は開かない。

花音がどうしようかと思った時、ペンダントが光りだし、一筋の光が鍵穴に伸びていく。

その一瞬後、扉はゆっくりと開いていく。

花音が中に入ると、目の前には上へ続く階段が見えた。

その階段を上ろうと足を踏み出した時、足下から陰が伸びてきて花音の身体を捕えた。
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