シンデレラに恋のカクテル・マジック
薫にニヤニヤされながら言われて、菜々の顔が勝手に朱に染まり始めた。病気なんじゃないかと思うくらい、心臓が騒がしく大きな音を立てる。
(私、永輝さんのこと、好きなんだ……)
薫に言われて初めて、菜々はこれまで彼と一緒にいたときに感じた、嬉しいのに苦しい気持ちの理由を悟った。
「で、でも、彼は私のことを何とも思ってないと思います……」
「どうして?」
「だって……」
(〝菜々ちゃんには手を出さないって約束しただろ〟ってはっきり言われちゃったし……)
そもそもあんなに手の早そうな彼が、一晩一緒に泊まっても菜々に手を出さなかったのだ。本当にただの好意でそばにいてくれたのだろう。そしてその好意は恋愛感情とは別物なのだ。
そう思うと気持ちが沈んできた。その様子に気づいて、薫が元気づけるように言う。
「一緒にイベントを盛り上げて成功させることができたら、きっと彼との距離もぐっと縮まるんじゃない?」
「そ、そんなにうまくいくかな」
「そうよ、絶対にうまくいくわ! 大丈夫!」
「そう……かな」
単純な菜々は薫に言われて、永輝との仲が発展しそうな気がしてきた。
「がんばって! 応援する」
薫に背中を叩かれ、菜々はコクコクとうなずく。
(私、永輝さんのこと、好きなんだ……)
薫に言われて初めて、菜々はこれまで彼と一緒にいたときに感じた、嬉しいのに苦しい気持ちの理由を悟った。
「で、でも、彼は私のことを何とも思ってないと思います……」
「どうして?」
「だって……」
(〝菜々ちゃんには手を出さないって約束しただろ〟ってはっきり言われちゃったし……)
そもそもあんなに手の早そうな彼が、一晩一緒に泊まっても菜々に手を出さなかったのだ。本当にただの好意でそばにいてくれたのだろう。そしてその好意は恋愛感情とは別物なのだ。
そう思うと気持ちが沈んできた。その様子に気づいて、薫が元気づけるように言う。
「一緒にイベントを盛り上げて成功させることができたら、きっと彼との距離もぐっと縮まるんじゃない?」
「そ、そんなにうまくいくかな」
「そうよ、絶対にうまくいくわ! 大丈夫!」
「そう……かな」
単純な菜々は薫に言われて、永輝との仲が発展しそうな気がしてきた。
「がんばって! 応援する」
薫に背中を叩かれ、菜々はコクコクとうなずく。