シンデレラに恋のカクテル・マジック
菜々がボトルを両手で持って肩越しに永輝を見上げると、永輝がにっこり笑って菜々から離れた。背中で感じていた彼の温もりが消えて、体の緊張が和らぐとともに心が切なさを訴える。
(永輝さんはずるい……。軽い付き合いはしないって決めたんなら、こんなふうに簡単に私をドキドキさせないでほしいのに)
やるせない気持ちで永輝を見上げると、彼が首を傾げて菜々に問う。
「まだ不安?」
「あ、いえ、大丈夫です」
「それなら、一人でやってみて」
「はい」
(いけない、集中しなきゃ)
永輝への恋心に今はフタをしてインフロント・クロスに挑戦する。一度目は失敗したが、二度目はうまくできた。繰り返しているうちに成功率が上がっていき、調子に乗って左手から右手へのリバースでのインフロント・クロスも試してみる。
永輝が感心したように目を丸くした。
「やるなぁ。やっぱり菜々ちゃんは飲み込みが早い」
「永輝さんが教えるのがうまいからですよ」
彼にほめられたのが嬉しくて、菜々は照れ笑いを浮かべた。
「じゃ、次の練習に移ろう」
「はい」
(永輝さんはずるい……。軽い付き合いはしないって決めたんなら、こんなふうに簡単に私をドキドキさせないでほしいのに)
やるせない気持ちで永輝を見上げると、彼が首を傾げて菜々に問う。
「まだ不安?」
「あ、いえ、大丈夫です」
「それなら、一人でやってみて」
「はい」
(いけない、集中しなきゃ)
永輝への恋心に今はフタをしてインフロント・クロスに挑戦する。一度目は失敗したが、二度目はうまくできた。繰り返しているうちに成功率が上がっていき、調子に乗って左手から右手へのリバースでのインフロント・クロスも試してみる。
永輝が感心したように目を丸くした。
「やるなぁ。やっぱり菜々ちゃんは飲み込みが早い」
「永輝さんが教えるのがうまいからですよ」
彼にほめられたのが嬉しくて、菜々は照れ笑いを浮かべた。
「じゃ、次の練習に移ろう」
「はい」