シンデレラに恋のカクテル・マジック
そんなふうにして、月曜日はバイトの時間まで、火曜日から土曜日は予備校の受付の仕事を終えてからサンドリヨンが開店するまで、そして日曜日はほぼ一日中、タンデム・フレアの練習をして過ごした。そうして四週間近く過ぎ、いよいよ明日がサマー・フェスタ当日という日。今日は永輝の提案により、サンドリヨンのフレア・ショーでタンデム・フレアを披露することになった。
まもなく十時になるという時間、店内にはフレア・ショー目当ての客がカクテルを飲みながらショーの開始を待ちわびていた。カップルのほか、前に来店して大樹を振ったという中村と、いつも彼女と一緒に来る高崎の姿もある。
(みんな永輝さんのフレア・ショーを見に来てるのに、私なんかが一緒にやってもいいのかな……)
バーカウンターの中にいる菜々の顔が緊張で引きつっているのを見て、永輝が軽い調子で話しかける。
「大丈夫、今まで練習してきたことを思い出してみて。最初はボトルを手にぶつけて赤くなったりアザができたりしていただろ? それなのに、今はティンもボトルも菜々ちゃんの手のひらに吸いつくように馴染んでる」
「そ、そうかな……」
まもなく十時になるという時間、店内にはフレア・ショー目当ての客がカクテルを飲みながらショーの開始を待ちわびていた。カップルのほか、前に来店して大樹を振ったという中村と、いつも彼女と一緒に来る高崎の姿もある。
(みんな永輝さんのフレア・ショーを見に来てるのに、私なんかが一緒にやってもいいのかな……)
バーカウンターの中にいる菜々の顔が緊張で引きつっているのを見て、永輝が軽い調子で話しかける。
「大丈夫、今まで練習してきたことを思い出してみて。最初はボトルを手にぶつけて赤くなったりアザができたりしていただろ? それなのに、今はティンもボトルも菜々ちゃんの手のひらに吸いつくように馴染んでる」
「そ、そうかな……」