シンデレラに恋のカクテル・マジック
菜々は手のひらを見つめた。その手に永輝が手を重ねて軽く握る。
「大丈夫、自信を持って」
永輝の大きな手から伝わるじんわりとした温もりが、菜々に勇気が与えてくれる。菜々は彼の手に反対側の手を重ねてしっかりとうなずいた。
「はい、がんばります!」
ほどなくして十時になった。永輝がバーの照明を暗くして、オーディオのスイッチをオフにし流れていたジャズを止めた。フレア・ショーの始まりを心待ちにしている客が、バーカウンターの奥にいる永輝を見る。隣に立つ菜々からも、彼らの眼差しが期待に満ちているのがわかった。
永輝が一度咳払いをしてから言う。
「サンドリヨンにご来店いただきありがとうございます。実は今日は、明日のイベントでパフォーマンス予定のタンデム・フレアを特別に披露したいと思います。ご紹介します、サンドリヨンの新しいフレア・バーテンダー、ナナです!」
永輝が言って、盛り上げるように顔の横で大きく拍手をした。つられて客の間からも拍手が起こり、大樹の「菜々ちゃん、がんばれー」という声が聞こえてきた。
「それでは、ご一緒にフレア・コールをお願いします」
「大丈夫、自信を持って」
永輝の大きな手から伝わるじんわりとした温もりが、菜々に勇気が与えてくれる。菜々は彼の手に反対側の手を重ねてしっかりとうなずいた。
「はい、がんばります!」
ほどなくして十時になった。永輝がバーの照明を暗くして、オーディオのスイッチをオフにし流れていたジャズを止めた。フレア・ショーの始まりを心待ちにしている客が、バーカウンターの奥にいる永輝を見る。隣に立つ菜々からも、彼らの眼差しが期待に満ちているのがわかった。
永輝が一度咳払いをしてから言う。
「サンドリヨンにご来店いただきありがとうございます。実は今日は、明日のイベントでパフォーマンス予定のタンデム・フレアを特別に披露したいと思います。ご紹介します、サンドリヨンの新しいフレア・バーテンダー、ナナです!」
永輝が言って、盛り上げるように顔の横で大きく拍手をした。つられて客の間からも拍手が起こり、大樹の「菜々ちゃん、がんばれー」という声が聞こえてきた。
「それでは、ご一緒にフレア・コールをお願いします」