シンデレラに恋のカクテル・マジック
第八章 突然現れたのは王子様?
翌朝、目を覚ました菜々は、すぐ前に永輝の寝顔を見つけて目を見開き、真っ赤になった。
(きゃー、どうしよう、嘘みたい……。永輝さんと……)
ドキドキしながらも、彼が眠っているのを幸いに、その端正な顔をじっくりと鑑賞する。
額に乱れてかかる栗色の髪、長い睫毛、すっと通った鼻筋、わずかに開いた形のいい唇……。
以前、永輝は下唇が〝セクシーだと評判〟だと言っていたが、彼の場合、全身がセクシーだ。昨晩、ベッドサイドライトの淡い明かりの中、一糸まとわぬ姿で菜々を見下ろしていた彼は、きちんとしたバーテンダーの制服を着ているときからは想像もつかないほど、逞しい体をしていた。フレアをするときそのままの情熱で口づけながらも、初めての菜々を気遣って優しく抱いてくれた。
(永輝さん……)
そのときのことを思い出して、菜々は恥ずかしさのあまりタオルケットを引き上げ、顔を隠した。その動きで目を覚ましたのか、菜々を腕枕していた筋肉質な二の腕がぴくりと動いた。
(あ、起こしちゃった……?)
菜々が息を詰めていると、永輝が反対側の手を回して菜々を包み込んだ。
「おはよう」
低くかすれた声が聞こえてきて、菜々はタオルケットから目だけ覗かせる。
「おはようございます」
「なんで隠れてるの?」
(きゃー、どうしよう、嘘みたい……。永輝さんと……)
ドキドキしながらも、彼が眠っているのを幸いに、その端正な顔をじっくりと鑑賞する。
額に乱れてかかる栗色の髪、長い睫毛、すっと通った鼻筋、わずかに開いた形のいい唇……。
以前、永輝は下唇が〝セクシーだと評判〟だと言っていたが、彼の場合、全身がセクシーだ。昨晩、ベッドサイドライトの淡い明かりの中、一糸まとわぬ姿で菜々を見下ろしていた彼は、きちんとしたバーテンダーの制服を着ているときからは想像もつかないほど、逞しい体をしていた。フレアをするときそのままの情熱で口づけながらも、初めての菜々を気遣って優しく抱いてくれた。
(永輝さん……)
そのときのことを思い出して、菜々は恥ずかしさのあまりタオルケットを引き上げ、顔を隠した。その動きで目を覚ましたのか、菜々を腕枕していた筋肉質な二の腕がぴくりと動いた。
(あ、起こしちゃった……?)
菜々が息を詰めていると、永輝が反対側の手を回して菜々を包み込んだ。
「おはよう」
低くかすれた声が聞こえてきて、菜々はタオルケットから目だけ覗かせる。
「おはようございます」
「なんで隠れてるの?」