シンデレラに恋のカクテル・マジック
(まだ生なの?)
確かめるように軽く噛み、油が出てこないかと吸ってみた。それでも期待した味はしない。
「なんでぇ……?」
不思議に思って目を開けたとたん、菜々の全身が硬直した。目の前の光景が信じられず、ぽかんと開けた口から、永輝の柔らかな下唇がするりと抜け出した。そう、菜々がしがみついていたのは、昨日初めて行ったバーで初めて会った永輝の首。そして、かじりついて(?)いたのは彼の唇だったのだ!
「きゃーっ」
それを認識した菜々は、反射的に彼の両肩を押しやった。そうしてあわてて起き上がったものの、そこは見知らぬ部屋の見知らぬベッドの上。そして、ベッドの横では永輝が立ったまま腰をかがめて菜々の顔を覗き込んでいる。
「あ、えっ、あのっ」
うまく言葉が出て来ない菜々に、永輝が腰を伸ばしながら言う。
「おはよう。眠り姫はお目覚めかな?」
にっこり笑った彼は、ホワイトシャツにネイビーのジーンズ姿で、腰に生成りのカフェエプロンを巻き、右手にフライ返しを持っている。
「菜々ちゃんって意外と積極的なんだね。朝食の準備は後回しにしようかな」
確かめるように軽く噛み、油が出てこないかと吸ってみた。それでも期待した味はしない。
「なんでぇ……?」
不思議に思って目を開けたとたん、菜々の全身が硬直した。目の前の光景が信じられず、ぽかんと開けた口から、永輝の柔らかな下唇がするりと抜け出した。そう、菜々がしがみついていたのは、昨日初めて行ったバーで初めて会った永輝の首。そして、かじりついて(?)いたのは彼の唇だったのだ!
「きゃーっ」
それを認識した菜々は、反射的に彼の両肩を押しやった。そうしてあわてて起き上がったものの、そこは見知らぬ部屋の見知らぬベッドの上。そして、ベッドの横では永輝が立ったまま腰をかがめて菜々の顔を覗き込んでいる。
「あ、えっ、あのっ」
うまく言葉が出て来ない菜々に、永輝が腰を伸ばしながら言う。
「おはよう。眠り姫はお目覚めかな?」
にっこり笑った彼は、ホワイトシャツにネイビーのジーンズ姿で、腰に生成りのカフェエプロンを巻き、右手にフライ返しを持っている。
「菜々ちゃんって意外と積極的なんだね。朝食の準備は後回しにしようかな」